OBの戯言

熱量の差はどこから生まれてくるのか

こんばんは。komochuです。

この年末年始は大変残念なニュースが飛び込んできました。

私と一緒にFC町田ゼルビアの黎明期を支えてくれた竹中と酒井がゼルビアを去る決断をしました。

本人たちも色々悩んだだろうし、前向きな気持ちでいるようなので、しっかりと応援してあげたいなと思います。

しかしながら、クラブの屋台骨であり、クラブの象徴であり続けた2人がいなくなったことで、このクラブにどんな影響が出るのか心配なところです。

一つ言えることは、変化を恐れてはいけないということです。

進歩するということは変化するということ。変化なき進歩はありません。

人類の進化がそうでしょ?

この変化が本人たちにとっても、クラブにとっても、10年後「良かった」と思えるように、お互い努力していかないといけないよね、と思います。

 

スポーツビジネスは、他の一般のビジネスとは大きく違うところがいくつかあるのですが、その一つが「替えがきかない」ということです。

歯磨き粉を例に挙げれば、もしもライ〇ン社が来月からクリ〇カを作るの止めた!と決めたとしても、ほとんどの購入者は他社の製品使うでしょう。

「ラ〇オンのク〇ニカじゃないと、私死んじゃう~」

という人はたぶんいないですよね?(笑)

しかし、スポーツの場合はどうでしょうか?

もし来月、FC町田ゼルビアが無くなってしまう!となったら、あなたは生きていけますか?(笑)

いや、たぶん生きていけるんでしょうけど、屍のような人生になるでしょう?どうですか?

この代替障壁の高さ、替わりになるものが何もない、ということがスポーツビジネスの特徴の一つなんです。

 

FC町田ゼルビアを応援してくれる人たちというのは、ほとんどが町田市民や周辺に住んでなんらか町田に関わりのある人なんじゃないかと思います。

この人たちにとって、FC町田ゼルビアは「替えがきかない」存在なんですよ。だって、自分が生まれ、育ち、住んでいる町のクラブですから。

今更、ふるさと変更できないですよね?(笑)

この「替えがきかない」ことが応援する「熱量」となるわけです。

一方、クラブはどうでしょうか?

もちろん、一所懸命、愛情を持って仕事をしてくれていると思います。しかし、どれくらいの人が「替えがきかない」という気持ちと熱量を持って仕事をしているのかはとても重要だと思います。

表現が難しいですが、意識の話をしているのではないです。無意識の話をしています。

どこのクラブでも同じですが、どうしてもクラブとサポーターの間にはこの「熱量」の差が生まれます。それは仕方のないことですが、その言葉では表現できない無意識の部分で温度差があるのはサポーターにとっては不幸なことです。

決して、町田で生まれていない、町田で育っていない、町田に住んでいない人の熱量が足りないという話をしているのではありません。

私はジュビロ磐田を熱烈に5年ほど応援しました。ホームはもちろんのこと、アウェイの試合も北は札幌から南は鹿児島まで行ける試合はほとんど見に行きましたが、最後の最後、100%の熱量でこのクラブを応援することはできないと悟りました。やはり「替えがきかない」人たちの熱量には叶わないなという気持ちがありました。そこが「町田にJリーグクラブが欲しい」という気持ちに昇華していくわけですが。

イーグル建創からサイバーエージェントになって、クラブが大きくなるにつれて、その無意識の熱量を持った人の割合もまた違ったものになっていくでしょう。それは仕方のないことですし時が解決してくれることかもしれませんが、とても心配です。

サポーターは人生かけて応援してくれています。その熱量をガッチリと同じ気持ちで受け止められる職員が減っていかないように、ゼルビアを「替えがきかない」我が家だと思える職員が増えていくことを願ってやみません。

下部組織出身の子がゼルビアの職員になったと聞きました。こういう流れは大変すばらしいことだと思います。

いつかまた、力をつけて、竹中にも酒井にも戻ってきて欲しいなと思います。彼らのような「替えがきかない」無意識の熱量を持った人がクラブには必要だからです。